地方移住を考えている子育て世代からもシングル世代からも、注目が集まりつつあるという高岡市(たかおかし)。
でも、都市部から移住となると、生活に必要な施設が揃っているかや、都市へのアクセスなど、気になることは多いですよね。
今回は、「なんでもある」大阪から「なにもない」奄美大島に移住したわたしが、実際に移住してから不便だと感じた経験をもとに、高岡市での生活をご紹介します。
先に結論を言ってしまうと、高岡市は必要な施設が充実していて、出会う人みんなが助け合う、とても過ごしやすい街ですよ。
高岡市の魅力って?
富山県高岡市と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか?
知る人ぞ知る「商人の街」高岡市は、伝統工芸の技が今も伝わる富山県第2の都市でありながら、
自然豊かな広々とした土地や、新鮮な地場野菜や鮮魚など豊かな環境をもつ街でもあります。
街中からでも、ドーン!とそびえる立山連峰が見えて迫力がありますよ。
高岡市は工業の技術力の高さでも有名です。
たとえば、足元のファッションに欠かせないレッグウェア。
しまむらやユニクロなど、大手企業にも製品を出している助野(すけの)株式会社さんも、高岡市が誇る老舗メーカーのひとつです。
助野さんでは、ギフトにもぴったりな立体的なデザインの靴下のラインナップも充実!
例えば下の写真は「寿司ソックス」。
かわいい…!
どんどん新しい技術やアイディアを取り入れつつ、改善していく。
こんなスピリットが、企業にもまちづくりにも人にも現れている。
高岡市はそんな街です。
新高岡駅から金沢駅のアクセスの良さ
地方移住でネックになるポイントの一つがアクセス問題。
誰かを招くとき、自分が都市部に行く必要がある時など、都市部への行き来を考える機会は案外多いです。
交通に時間がかかったりあまりに高価だと、想像以上にストレスになる可能性もあります。
その点、高岡市のアクセスは良好!
北陸新幹線の新高岡駅があるので、金沢駅まで約14分で行けてしまいます。
価格は、自由席で約1,560円。
東京駅から新高岡駅までは北陸新幹線が直通していますし、
大阪駅からならサンダーバードで金沢駅まで乗り換えなしでアクセスできますよ。
高岡市はグルメも充実!
おいしい「食」は、生活する上で重要度が高いですよね。
富山県は新鮮な海産物でも有名。
高岡市はそれに加えて、地産地消の新鮮な野菜や、魚介ダシきいたブラックラーメンなどもあり、どれも絶品!
魚介のダシがきいたブラックラーメン
「くろッ!」
見た目、ちょっとビビりませんか?
(わたしが薄いお出汁好きな関西人だからでしょうか、笑)
でも食べてみると、思いのほか繊細なスープの味にびっくり。
コシのある麺に、魚介と醤油のソースがよく絡んでおいしい~!
黒コショウもピリッときいていて、これは女性も好きになるラーメンです。
地場産のお野菜でランチ
地産地消のお野菜をランチでたくさん食べたいなら「Jun Blend Kitchen(ジュンブレンドキッチン)」へ!
「あぐりぴあ」という直売所に直結して設置されているこのレストランです。
「野菜キッシュプレート」や野菜たっぷりの「肉みそナムル丼」、男性もお腹いっぱいの「チキン南蛮定食」など、メニュー豊富。
写真は「ジュンブレンドサラダプレート」1,150円。
地場産の新鮮な野菜を、1つ1つ異なる味付けでくるみ、丁寧に盛り付けたぜいたくなプレートランチ。
量が少なそうに見えるかもしれませんが、女性がお腹いっぱいになるボリュームで、大満足できます。
キュッと身が詰まった新鮮なお魚
高岡市には「氷見の寒ブリ」で有名な氷見(ひみ)漁港があります。
もちろん寒ブリ以外にも豊富な海産物。
漁港はもちろん、市内のスーパーでも新鮮な魚がずらり!
キュッと身が引き締まったお魚で、スーパーのパック寿司さえも、びっくりするくらい絶品です。
高級すしを求めて、首都圏からも社長さんが高岡まで食事に来られることも少なくないんだとか。
生活には困らない!充実のライフライン
医療機関、公共施設や商業施設など、生活に必要な設備が街にあることは、移住を検討するうえで必須条件ですよね。
都会では当たり前に利用できる施設を、移住先でも当たり前に使えるとは限りません。
でも、高岡市に移住した方は口をそろえて「生活には困らない」と言います。
むしろ、小さいお子さんの子育て環境としては都会より便利!との声も。
20代の若い移住者も、子育てファミリーでの移住も多く受け入れている高岡市のライフラインを1つずつご紹介していきます。
病院・クリニック
まずは、もしもの時の病院。
総合病院だけでなく歯科や小児科などのクリニックなども含めると、高岡市にはかなり多くの医療機関があり、どこに行こうか迷うほど。
大きな総合病院だけでも、下記のように市内にいくつもあります。
- 高岡市民病院
- 富山厚生連 高岡病院
- 済生会高岡病院
- JCHO高岡ふしき病院
また、おとぎの森レディースクリニックやあいARTクリニックなど、土曜日や夜間も診療してもらえる産婦人科もありますよ。
学校
高岡市内には、26の公立小学校と12の中学校、11の高校(うち3校は私立)があります。
公立の高岡高校は偏差値70前後と、全国的に見てもトップレベルの進学校。
高岡市で高い学力をつけることも十分可能な環境です。
大学では、富山大学のキャンパスのひとつが高岡市にあります。
そこに通う芸術文化系の学生とまちづくり団体がコラボレーションして、市内にゲストハウス「さまのこハウス」をデザインするなど、面白い取り組みも行われていますよ。
スーパー
高岡市に実際に行ってわたしが驚いたのが、大型スーパーの多さ。
イオンや業務スーパーといった全国チェーンのスーパーから、
サンコーやアルビスといった地元チェーンのスーパーもたくさん展開しています。
特徴的なのが、お魚コーナー。
氷見漁港でその日に獲れた新鮮な魚がずらりと並んでいます。
そしてよく見ると、昆布のコーナーの品揃えがすごい!!
さまざまな種類の昆布が並んでいます。
富山県をはじめ北陸でとれた昆布が使用されていて、わたしもお土産として購入しました。
トラム(路面電車)
高岡市内の交通手段のひとつとして、トラム(路面電車)が利用できます。
JR高岡駅近くの万葉線高岡駅から、隣の射水市の越ノ潟(こしのかた)までを繋ぐ「市民の足」。
『ドラえもん』の作者、藤子・F・不二雄氏の出身地でもある高岡市ならではの「ドラえもんトラム」も運行していて、街の景観の一部にもなっています。
おとぎの森公園
子育て環境も充実している高岡市。
「ふわふわドーム」や「ボールプール」などの大型遊具が設置されているおとぎの森公園は、なんと無料で利用できる施設なんです!
靴を脱いで、ふわふわの上を跳ねながら駆け回る子どもたち。
踏むと跳ね返ってくるこの弾力、大人も楽しくて、笑顔が溢れます。
この大きなボールプールは、奥の壁に映されているプロジェクションマッピングと照明で、なんだか幻想的な雰囲気。
子どもたちがプロジェクションマッピングの正面に立つとセンサーが反応し、映像が変わるようになっています。
子どもは何時間でも遊べて、お母さんも飲み物片手にベンチでおしゃべりできる、おとぎの森公園。
子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」で、2019年の富山県年間おでかけ人気ランキング1位にも選ばれた、1日中遊べるパークです。
子育て支援センター
こちらも子育てファミリーが無料で利用できる施設。
子どもの年齢にあったおもちゃがたくさん用意されているので、赤ちゃんも安心して遊ばせることができます。
「子育ての不安や悩みも相談できるので、いつも頼らせてもらっています」と、来ていたお母さんがおっしゃっていました。
子どもが騒ぐので図書館に連れて行きづらい…というママのために、絵本や子育て雑誌もたくさん。
親子で参加できるイベントも頻繁に開催されていて、ママ友と出会いの場にもなっているとのこと。
こんな場所があったらいいな、というママパパの理想がまるごと叶う施設だと感じましたよ。
移住者に聞く!高岡市の住み方、働き方
寿司ソックスなどを製作している助野株式会社さんで、高岡市に移住した2人の社員さんからお話を聞くことができました!
お2人とも小さいお子さんを持つママ。
産休・育休を経て職場に復帰し、現在も責任ある仕事をどんどん任せてもらっているといいます。
「女性が多い職場なので、子どもが体調を崩したときなど、急なお休みも理解して受け入れてもらえるのがとても助かっています」とのこと。
わたしは大阪で働いていた時に先輩から、育休明けは時短勤務で責任感のある仕事をなかなか回してもらえない…という話をさんざん聞いていたので、こんないい会社もあるんだとびっくりしてしまいました。
お休みの日はおとぎの森公園や子育て支援センターもよく利用しているそうです。
また、高岡市の外から来た移住者目線で見た、街での暮らしも聞いてみました。
「不満とか、何か足りないと感じることは…うーん…。ないです(笑)」
いや、知らない土地で暮らすならデメリットもあるのでは?としつこく聞いてみましたが、「思いつかない」と言われてしまいました。
自転車で行ける距離になんでもあるので便利とのこと。
確かに、郵便局やクリニックも大きなイオンモールの中にあったので、用事をまとめて済ませられそうです。
「高岡市は、施設が揃っていて都会的な便利さがあるし、ほっとできる田舎の雰囲気もあります。気さくな人が多くて、とても住みやすいですよ」と、2人とも口をそろえておっしゃっているのが印象的でした。
移住先として注目が高まっている高岡市。
実際に訪れて、街の人と話しているうちに、人のあたたかさや落ち着いた環境がとても心地良いと感じました。
わたしが奄美大島に移住してみて、定住するうえで大事だなと感じている「人や街の心地良さ」が、高岡市にはある。
そう感じましたよ。
この心地良さ、実際に行ってみると一層感じることができます。
高岡市が気になったら、高岡市移住促進サイト「あっ、たかおかで暮らそう!」から、たかおか暮らしの始め方をチェックしてみてください。
これからの生活やライフプランについて、今のままでいいのかな、とモヤモヤを抱えている人にとって、この記事が解決の糸口となるといいなと思います。